最近、筆者の周辺でとても残念でならない出来事あったので、それを事例に取りあげ「クレーム対応」について考察したい。
先日、妻と長女と一緒に某焼肉レストランへランチを食べに行ったときのことである。このお店は過去にも数回利用しており、飲食店の重要なポイントである味・接客サービス・雰囲気・クリンリネスなどが水準以上でそれほど悪い印象ではなかった。ところがその印象は見事に覆された。まず食前酒に焼酎水割りを注文したのだが、提供されたものはほとんどアルコールの味がしない。長女に試飲させたところ、返ってきた言葉は「お父さん。これってほとんど水だよ」。女性スタッフに「ちょっと味が薄いのでは」とクレームをつけたが、「今までにそんなことは1回も言われたことがありません」と憮然とした表情。その態度に少々怒りを覚えたが、そこは大人の対応で一旦矛先をおさめた。
しばらくして窓に目をやると、そこには虫の死骸。これはひどすぎると思い、会計時に先ほどの女性スタッフに「後から来るお客さまのために速やかに処理したほうがいいよ」とアドバイスしたのだが、謝罪やお礼の言葉は一切なく、こちらの言うことを真剣に聞いているのか、聞いていないのか判断がつかないほど無表情、機械的な対応に終始。その対応の悪さに妻や長女は半ばあきれ顔であった。
上述のようにこのお店は水準以上のレベルだっただけにとても残念でならない。もし、クレーム対応がしっかりできていれば、「また来よう」と思うのだが、あのようなお粗末な対応ではこのお店に行くことも他人へ紹介することも皆無だろう。特に現代のようなネット社会では、そういった負の情報が一瞬にして拡散するので、従来以上に気くばり・目配りするなど注意が必要である。
今回のことはクレームに対する真摯で迅速な対応、従業員教育の重要性を肌で感じ再認識した事例となった。
【クレームに対する考え方】
1. 96%の不満な消費者は、苦情を決して言わない。つまり、苦情を言う人はわずか4%である。
2. サービスに不満を持った消費者の90%強は、二度と戻ってこない。
3. 不満な消費者の一人は、少なくとも9人の他人にそのことを話す。
4. 不満を持つかつての消費者の13%は、そのことを20人以上の人たちに話す。
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5. 苦情が速やかに解決された消費者の90%強は、再び戻ってくる。
出典:消費者調査「お客さまを満足させる本」川勝久 著 産業能率大学出版