だんだん年の瀬が近づいてくるとあれもこれもと仕事が増えて困った経験はないだろうか。
筆者もその例外ではない。増え続ける業務のなかで仕事ができない人によく見られるのが“なんとなく”仕事を進めているケースだ。なんとなく仕事をしていると、業務は肥大化し滞留し、過剰なものになってしまう。これでは無駄が多く、仕事で結果を出すことはできない。個人やチームを問わず、合理的な思考で仕事に取り組み、業務をコントロールすることが価値創造につながる。
なんとなく仕事を始める前に、一旦立ち止まって仕事の目的や、効率的な段取りを考えることが大事である。仕事で結果が出せないのは、単に才能がないからではなく、仕事のマネジメントができていないからである。
そこで、仕事をしっかりマネジメントするには、まず自分の仕事がどのように付加価値を生んでいるかを認識したうえで、①付加価値を生む仕事、②付加価値を生まないが必要な仕事、③無駄な仕事の3つに分ける。それからまず無駄な仕事をなくすようにして、付加価値を生まないが必要な仕事にかける時間を減らしていく。日本人特有の生真面目さも要因の一つであるが、「やらなくてはいけない」と思っていた仕事が実はムダだったということも少なくない。特に②と③に対しては、「大切な時間を盗まれている」といった意識を持つことが大切だ。
(参考)
【付加価値の例】 | 【削減したいムダの例】 |
・優良で高品質な製品を効率的に生産する |
・議題や目的が不明確な会議・ミーティング |
・顧客ニーズに合った商品・サービスを提供する |
・過剰な社内資料の作成 |
・顧客に居心地の良い場所や時間を提供する |
・非効率なチェック作業 |
最後に付加価値を生む仕事だけに時間を十分注ぎ込めば成果を上げることが可能になる。付加価値を生む仕事に取り組むときは、どのようにして生み出す価値を最大化するのか、どう動くのが最も効率的なのかを考えることが不可欠である。
今年も残りわずかとなってきたが、身の回りの仕事を今一度考えてみてはどうだろうか。