静岡県内に本社を置く企業のメインバンク(主力金融機関)で地域金融機関の存在感が増しているようです。東京商工リサーチの調査によると、県内に本店を置く13の金融機関のうちリテール(個人向け)に注力するスルガ銀行以外はメイン社数を伸ばしました。首位は静岡銀行の1万7447社でシェアは39.4%でした。2位は浜松いわた信用金庫で4726社、シェアは10.7%でした。企業倒産の増加を背景に、金融機関へは事業再生支援の力量が求められ、その取組み(結果)次第ではメインバンクの変更が加速することも予想されます。
吉野屋ホールディングスは28日、新たな畜産資源の開発に向けダチョウ関連事業を開始すると発表しました。ダチョウは飼育効率が高く、食料不足対策として注目を集めています。吉野屋はダチョウの脂肪分を原料とした化粧品販売で利益を稼ぎつつ、新しい丼商品も育てていくことになります。従来の牛丼頼みだった事業体質からの脱却が大きな課題です。
訪日客の増加に伴う国内クレジットカード業界の負担が増しています。海外発行のカードが国内加盟店で利用されると、海外事業者に支払う費用がかさみ、赤字幅は2023年に比べ、1.5倍の年300億円を超える勢いです。一方で海外発行カードの利用に高い手数料を徴収する二重料率を導入する動きもあるようです。インバウンド増加も痛し痒しで、クレカ業界も苦労が多いようです。
スマートフォン決済のPayPayは26日、開成高校(東京)の学食の支払いに自社の決済サービスが導入されたと発表しました。同校の生徒2人が学食用のアプリを開発しました。現金支払いが主流の教育機関にも導入を促し、若者の利用拡大につなげるのが目的です。流石は開成ですね。
災害など緊急時の対応手順を決めておく「事業継続(BCP)の策定状況をまとめた帝国データバンクの調査によると、BCP策定済みの県内企業の割合は26.8%(前年比5.1㌽増)に上り、都道府県別で3位でした。南海トラフ巨大地震の発生想定地域に含まれるため、根強い危機感が背景にあります。一方、BCPを策定していない企業の理由として、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」42.7%、「策定する人材を確保できない」32.3%となっています。
帝国データバンク静岡支店がまとめた静岡県内のSDGs(持続可能な開発目標)への対応によると、積極的に取り組む企業の割合が前年調査から5.4㌽減り、52.7%になりました。過半数は3年連続ですが、企業規模が小さいほど割合が低く、人手不足や物価高などで厳しい経営環境のなかでSDGs対応が後回しになっているのが透けて見えます。一方で、SDGsに取り組む企業の6割が効果を実感しているとし、SDGsによる社会課題の解決と企業の成長は両立できるとの見方もあるようです。
健康保険制度で会社員の扶養家族が10年間で1割減少しました。女性や高齢者の就労が進み、少子化で子どもの数も減ったことが要因です。保険料を納めずに保障を受ける扶養家族が減少すれば、短期的には健保財政は改善します。ただ、働き手の増加には限界があり、少子化も中長期的にみれば財政悪化につながり、束の間の追い風となりそうです。
セブンーイレブン・ジャパンなどコンビニエンスストア大手が相次いで業務に生成型の人口知能(AI)を取り入れています。POSデータ、メーカーなどとの取引情報、SNSでの書き込みデータなどの分析に活用できます。商品開発では、情報収集や流行の分析などにかかる時間を従来の10分の1程度に短縮できます。IT部門では、音声入力で生成AIを使いながらプログラムを書くことで、作業時間を従来の6分の1程度まで短縮ができます。今後は文章作成や分析、アイデアの創出といった使い方のほか、社内向け資料などに使う画像の生成に活用することも検討するようです。
自動車整備士の不足が深刻な状況です。若者の車離れに加えて他業種に比較して賃金の低さや労働時間の長さが、なり手不足を招いています。一部においては、整備や修理に数ヶ月かかるケースも発生しています。電気自動車(EV)など新技術への対応も今後増加していく中、人材確保に向けた取り組みの強化が求められます。政府には、EVや自動運転といった次世代産業の発展のためにも、高度化する車の安全や性能を支える整備士という人材の賃金と労働環境に安心感が持てるような取り組みに期待します。
本日、一般社団法人全国信用金庫協会の通信講座(企業分析)添削者会議に出席するため東京(日本橋)に出張いたします。猛暑が続くなかでの出張となりますが、しっかり務めてきたいと思います。
新型コロナウイルス禍による中止・縮小の苦難を経て、多くの祭りが再開しました。ところが一難去ってまた一難と、物価高や人件費上昇の波が押し寄せ、中止となる事例もあり、無料では続けられない岐路に立たされています。国内には様々な祭りがあり、それぞれに地域の魅力がつまっています。一方で、協賛金の減少や商店主の高齢化など課題は多岐にわたっています。人口減社会の中で担い手の確保、資金の確保をどうやってクリアーしていくのか、また祭りの存続のためには、どうやって魅力を高めていくのか、が問われています。
11月の米大統領選は民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領が戦う構図が確定しました。投票日まで残り3ヶ月となり、2人の戦いが火蓋を切り政策論争が本格化します。ハリス氏はバイデン大統領に比べて中低所得者への支援や人工妊娠中絶の権利保護に重点を置いており、トランプ氏と真っ向から対立しています。両氏ともに無党派層の争奪がカギで、支持率は拮抗しており、その行方が勝敗を左右することになりそうです。
静岡の小売り大手マキヤが2027年3月期に連結売上高1000億円を目指しています。金具屋を祖業とする同社は、ホームセンター、食品、100円ショップなど業態を拡大してきました。昨今の新型コロナウイルスや物価高騰といった市場環境に大きく左右される小売業にあって「多看板多店舗」をさらに磨き上げ耐性を強化するほか、食品ロスと欠品をなくして利益率を高めるとしています。人口減少の続く地方で小売業の新たな成長モデルとなるか業界からの注目が集まっています。
日銀は31日の金融政策決定会合で政策金利を0.25%引き上げることを決めました。大手銀行の短期プライムレートの引き上げを通じて住宅ローンの金利や企業の借入金利が上がるほか、預金金利も上昇します。物価安定を受け、日本経済は「金利ある世界」に本格的に回帰していきます。金利ある世界は、収益力の弱い企業に市場からの撤退を迫ることにつながり、一方で企業の生産性向上を促進し、成長力を高める要因にもなります。両刃の剣はどちらに転ぶ(奏効)のか⁉