ブログ - 2023年7月


Uターン移住支援金

政府は進学を機に上京した地方出身者のUターンを支援します。東京23区の大学などを卒業した地方出身者が地元で就職した場合、移住支援金の支給対象に加える方針です。そこには人口の東京一極集中を是正する狙いがあります。2024年度予算案の概算要求に盛り込む見込みで、具体的な金額や対象者を詰めるようです。「若者の働き場所の確保」+「移住支援金」が必要不可欠です。

はままつ起業家カフェリニューアルオープン

最低賃金時給1000円へ

厚生労働省の中央最低賃金審議会は2023年度の最低賃金を全国平均で時給1002円に引き上げる目安額をまとめました。千円超えは初となります。物価高騰を反映し、現在の961円から41円増額します。2002年度に現行方式となってから最大の増加幅です。ただ、水準は主要各国と比較して依然低く、フルタイムで働いても生活費を十分に稼げるとは言い難いのが現状です。東京と地方との最賃額の格差や、中小零細企業の賃上げ原資の確保など1000円以後の課題は山積しています。

専業主婦世帯が3割以下に

国内の専業主婦世帯の割合が2022年に初めて夫婦がいる全世帯の3割を下回りました。この20年で専業世帯は約350万減って539万になり、共働き世帯の半分以下になりました。年収の壁など専業世帯を前提とした昭和モデルが根強く残り、女性の非正規雇用率が高止まりするいびつさは拡大しています。女性の家事負担軽減や、賃金上昇につながるキャリア支援と並行し、共働きを前提とした社会モデルを構築する必要があります。

原材料にブリを使用(シーチキン)

はごろもフーズは主力のツナ製品「シーチキン」で8月21日から、ブリを原材料に使用した新商品を投入します。従来はマグロやカツオを原材料としてきた同製品で、魚種を追加するのは42年ぶりとなります。背景にあるのは、水揚げ量が不安定で魚価が高騰しているマグロやカツオに比較してブリは安定した水揚げが期待でき、将来的な供給への不安を払拭できるとみられているからです。原材料の代替を検討するメーカーがこれからも増えると思います。

男性育休率公表拡大へ

厚生労働省は男性の育児休業の取得率について公表義務を課す企業の対象拡大に乗り出します。現行の従業員1000人超の企業から300人超に広げる案を軸に検討に入ります。取得率の公表で社会の意識改革を促し、男女とも仕事と育児を両立しやすい環境につなげるのが狙いです。日本では育休取得率の低さ(2週間未満が全体の5割)に加え、期間の短さが問題視されています。期間の短いままではその後の育児の負担が配偶者に偏り、夫婦での共働き・子育てが実現しません。少子化対策や働き方改革は待ったなしの課題です。今回の厚労省の判断に大いに期待しています。

供給過多が8割(主要20品)

家電や建機など主要製品で供給過多の懸念が高まっています。日本経済新聞の調査では、7~9月には主要20品目の8割が需要を上回る生産や入荷を計画していることがわかりました。米中の景気減速が意識されるなか、供給制約から一転し、需要下振れに伴うモノ余りで過剰在庫を警戒する局面に入りました。このように需要が力強さを欠くなか、機動的な在庫管理の重要性が増しています。

最後の晩餐(大塚国際美術館)

最後の晩餐は、納豆・味噌汁・卵かけごはんがあれば最高です!!

大塚国際美術館(徳島市)

「事業性評価を目指した目利き力と経営支援講座」

四国地区信用金庫協会主催「事業性評価を目指した目利き力と経営支援講座」(7月19~20日)の講義のため、本日から四国高松市へ出張となります。本講座の講義はコロナ前から実に4年ぶりになります。講義終了後はちょっと足を延ばし徳島市を観光してから帰路に着く予定です。

シニア処遇改善の動き

人手不足が深刻になるなか、シニア人材の処遇を現役並みに改善する動きが出てきました。住友化学は2024年から60歳以上の社員の給与を倍増します。村田製作所も24年4月以降、59歳以前の賃金体系を維持しながら定年を65歳に引き上げます。人生100年時代を迎え、労働市場で比重が高まる60代以上が意欲を持って働くシニア雇用の環境づくりが欠かせません。一方、シニアの活用促進は避けて通れませんが、年功型の人事制度を改め、中堅若手の活躍の場を減らさない工夫も必要になります。

「天竜商工会創業スクール」報告会

物流の「2024年問題」

トラック運転手の不足が懸念される物流の2024年問題を巡り、警察庁は13日、有識者検討会を設けて大型貨物車などに適用される高速道路の最高速度について議論することを明らかにしました。現在は時速80キロですが、引き上げれば運転手の労働時間削減につながります。安全技術の普及や交通事故の状況も踏まえて検討し、年内をめどに提言をまとめるようです。

信金中金が店舗修繕履歴データを一元管理

信金中央金庫はNTTのグループ会社と連携し、7月内にも全国の信用金庫を対象に店舗など施設の修繕履歴をデータで一元管理し、修繕の最適なタイミングを知らせるサービスを開始します。各信金では修繕の記録を紙で管理するのが一般的で、場当たりの後手な修繕にとどまっているケースが多いのが現状でした。損傷が深刻になる前に修繕する予防保全を促し、維持・管理コストの削減につなげるのが狙いです。その他に工事手配の請け負いや見積書の妥当性も判断することも行うようです。

トヨタが燃料電池システム普及促進へ

トヨタ自動車が水素を使う燃料電池(FC)システムの普及を促進します。欧州と中国からトラック中心に展開し、2023年にFCシステムを年10万台販売する見通しを示しました。自社向けだけではなく、外部企業への販売にも注力し、市場開拓を優先するようです。乗用車の電気自動車(EV)の販売拡大とあわせ全方位・マルチで脱炭素に取り組むことになります。いよいよトヨタが勝負をかけて動き出した感じです。

中小企業の倒産が増加

中小企業にとって厳しい状況となっています。東京商工リサーチが10日発表した2023年上期(1~6月)の倒産件数は前年同期に比べ3割増え、上期としては2020年以来3年ぶりに4000件台となりました。新型コロナウイルス禍での手厚い資金繰り支援で延命してきた企業も多いなか、政府は追加支援に動いており、ゼロゼロ融資からの借り換えを促す制度を取り入れています。ただ、資金をばらまいて全ての事業者を救済する政策には限界があり、人手不足や物価高の逆風下でも事業を継続できる強さ(強みの発揮)が不可欠です。

大相撲名古屋場所初日

大相撲名古屋場所は9日にドルフィンズアリーナで始まります。2場所連続9度目の制覇を狙う横綱照ノ富士が優勝争いの軸となります。新大関霧島や大関昇進を目指す豊昇龍、大栄翔、若元春の3関脇の奮闘にも注目が集まっています。大関貴景勝の休場は残念ですが、文字通り熱い名古屋で熱く長い闘いが始まります。

「ITパスポート」社員8割取得へ

ニトリホールディングスは2025年までに約1万8千人の社員の8割に情報処理に関する国家資格「ITパスポート」を取得してもらうようにします。小売業でも電子商取引(EC)の普及などデジタル化が進展するなか、社員のIT(情報技術)能力を底上げすることで企業競争力を高めるのが狙いです。因みにITパスポート試験の合格率は、平均して50%前後で2人に1人は合格しています。最年少の合格者は7歳の小学1年生だそうです。皆さんもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

ガソリン販売増

減少が続いていたガソリンの国内販売量が増加に転じています。2022年度に7年ぶりに前年度を上回りました。新型コロナウイルス禍からの経済活動再開に加え、価格を抑える政府の補助金が需要を下支えしました。一時的だったはずの対策が長期化し、脱炭素の流れに逆行する状況は、日本の経済事情やエネルギー事情があるとはいえ、国際社会から厳しい風圧にさらされる可能性があります。

金融資産1億円以上世帯が10年で8割増

大手金融機関が富裕層向けビジネスに本腰を入れます。三井住友信託銀行は富裕層の資産管理会社に5%弱出資し、三菱UFJフィナンシャル・グループや野村証券は担当の人員を増やします。1億円以上の金融資産(預貯金や株式などの金融資産から借入れなどの負債を差し引いた額)を持つ世帯は2021年に約149万世帯10年で8割増えています。国内は低金利で思うように稼げないため、数少ない成長市場を取込むのが狙いです。

生成AI活用(文科省指針)

小中高校での生成AI(人工知能)の扱い方に関する初の指針を文部科学省が4日公表しました。不適切な使い方をしないよう限定的な利用からスタートします。まず指導体制を整えた学校で試行し、成果・課題を検証します。将来的に思考力や創造性を伸ばす一歩にするのが狙いです。また、教員の業務負担の軽減につながるメリットとともに、不正行為を防ぐための措置など課題も山積しています。

路線価15年連続マイナス

国税庁が3日発表した2023年1月1日時点での路線価で、静岡県内の標準宅地は15年連続の下落となる0.3%安でした。新型コロナウイルス禍からの経済回復の兆しが見られ、下げ幅は2年連続で縮小しました。特に首都圏からの観光客を中心に好調な熱海は10%を超える大幅な上昇幅でした。一方、県西部の浜松市は、車で食料品などの買い出しができる郊外型の店舗や飲食店が多く、コロナ禍で上昇が目立った東区和田町が去年の路線価(5%上昇)をキープするなど好調でした。ただ、今後の路線価の動向は、エネルギーや原材料費の高騰、それに伴う建築価格の上昇が引き起こす住宅の新規着工戸数の減少があり不透明だとする見方もあります。

人手不足➡賃上げへ

人手不足が賃上げを促進させる流れが続きそうです。「社長100人アンケート」では自社の人手が足りていないと感じるとの回答が8割を超えました。既に4割が来春の賃金改定を考えており、そのうち6割が3%以上引き上げる意向を示しました。人手不足が成長の妨げになる懸念が深まるなか、政府が表明する構造改革に依存せず民間主導の賃上げの好循環が生まれる可能性もあります。

最低賃金1,000円議論へ

厚生労働省の中央最低賃金審議会は30日、2023年の最低賃金引き上げに向けた議論を始めました。政府が掲げる全国平均1,000円を実現するには初の4%台の引き上げが必要になります。物価上昇が続き、企業の賃上げ機運は高まっています。ただ、日本が自給1,000円を達成しても各国との開き(英国1,400円、フランス1,385円)があります。また、円安が続くなかでは賃上げしても国内で働く魅力は相対的に落ちます。新型コロナウイルス禍からの回復も米欧に遅れ、宿泊業などでは相変わらず人材不足が顕在化しており、人材確保の難しい状況は続いています。