ブログ - 2023年5月


ネット銀行預金残高が5年で2倍に

ネット専業銀行の預金量が急増しています。2023年3月末の主要6行合計の残高は約29兆円と5年前に比較して倍増しました。スマートフォンで完結する利便性や証券口座との連携などで、店舗にこだわらない若い世代を引き寄せています。特にメガバンクの100~200倍の金利水準や取引で得られるポイントも大きな人気の理由です。預金規模は既に地銀並みに成長しています。銀行窓口が不要になる時代が本当に到来するような気がしてきました。

コロナが再拡大(中国)

中国で新型コロナウイルスの感染が再拡大しています。病院の外来窓口では4時間待ちの混雑もみられ、感染症研究の第一人者は6月末に第2波がピークを迎えるとの見方を示しています。専門家からは、「消費を押し下げる要因となる」との警戒感が広がる一方で、経済全体への影響は限定的との見方があるようです。このような状況が中国からのインバウンドが元に戻ってこない要因でもあります。今はただ速やかな収束を願うばかりです。

イオンがキッチンカーをリース

イオンはキッチンカーを貸し出すリース事業を開始します。イオンモールが運営するショッピングモールで外食企業に貸し出します。まず東京や埼玉、愛知の1都2県で始め、全国に広げていくようです。コロナが落ち着いて人流が回復してモールの飲食店で休日昼間の混雑が課題になっており、店外での飲食の選択肢を提供して混雑の緩和につなげるのが狙いです。この背景にあるのは、夜間は来店客数の回復が鈍く、飲食店の売上げ確保が難しく、テナント企業の出店意欲を下げる要因になっていることです。ついに大型ショッピングセンターもこの分野に乗り出してきました。競争激化になりそうな気配です。

照ノ富士復活V

4場所連続休場明けの横綱照ノ富士が関脇霧馬山を熱戦の末に寄り切り、13勝1敗で6場所ぶり8度目の優勝をきめました。3場所連続全休からの優勝は大鵬、北勝海に次いで3人目です。千秋楽を待たない優勝決定は、照ノ富士自身が遂げた2021年九州場所以来となりました。不屈の精神力とはこのことです。本当に凄い!。言葉に言い表せないくらい素晴らしい力士です。

大卒就職率97.3%

企業の採用意欲の回復が顕著になっています。2023年春に大学を卒業した人の就職率は97.3%で3年ぶりに前年を上回りました(文部科学省・厚生労働省による調査)新型コロナウイルス流行前の水準に近づきました。コロナ禍で採用を絞っていた業界が採用数を増やし、24年卒の就職活動は売りて市場の傾向がさらに強まっています。このようななか、企業の選考は早期化が進んでいます。現行の規定では3月に広報活動、6月に採用活動を解禁としていますが、解禁前に選考を開始し内定を出す企業は多くあります。優秀な学生を早めに囲い込む企業の動きが加速する可能性があります。市場の競争原理からすれば、早い段階で複数の内定を得る学生と就活のスタートが遅れる学生との二極化になると思われます。ガンバレ学生諸君!!

雇用保険拡大へ(2028年度までに)

政府は2028年度までにパートやアルバイトの人らへ雇用保険を拡大します。非正規の立場で働く人にも失業給付や育児休業給付を受け取れるようにし、安心して出産や子育てができる環境を整備します。現行の雇用保険は、週の労働時間が20時間以上で31日以上の雇用見込みがある人を対象にしています。企業側は人件費が増加し、人員配置の見直しなどを迫られます。仮に企業が保険料の負担を敬遠して労働時間を削減すれば、雇用される人は逆に家計が苦しくなるという弊害に陥ります。政府は、企業が負担を嫌い、働く人への不利益をしない目配り・牽制機能も求められます。

「日々是好日」

私が所属している「はままつ起業家カフェ」の相談者OBでプロのデザイナーとしてお仕事をされている原田孝子氏のご厚意でイラストを描いていただきました。私の特徴をよく掴んでいると思います。とても気に入っています。また新たな気持ちで事業者の課題解決のために日々精進していきたいと思います。

少子化対策(高校生まで月1万円⁉)

政府は少子化対策の柱である児童手当の拡充で、新たに高校生まで月1万円を支給する調整に入りました。第3子以降は3歳から小学生までを月3万円に倍増する案が浮上しています。岸田文雄首相は「2030年代に入るまでの6~7年が少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンス」とアピールしており、異次元の少子化対策が本格化していきそうです。子どもは未来へ繋ぐ地球の宝物です。

火災保険審査の厳格化(東京海上)

東京海上日動火災保険は築年数が古い住宅を対象に、個人向け火災保険の引き受けを厳しくします。築50年超の一戸建ての審査を代理店に任せず、自社で契約条件を決める運用に、22日までに切り替えました。災害の多発で損保大手の火災保険は2023年3月期決算で13年連続の赤字でした。大手各社は収支改善のために、24年度に火災保険料を1割超引き上げる見通しで、古い住宅に住む消費者の契約条件は一段と厳しくなります。ただ、契約者の負担に直結する保険料の引き上げだけでなく、損保会社はデジタル技術の活用によって業務を効率化し、損益分岐点を引き下げることが必要です。さらに、保険引き受けの適正化に加え、防災や減災の取り組みにも経営資源を投入し、予測困難な災害に対しても極力被害を軽減し、結果的に保険金支払いを抑制する企業努力も不可欠です。

広島サミット閉幕

主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)は21日、ウクライナのゼレンスキー大統領を交えた討議を開き、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの財政や軍事面での支援を、必要な限り提供することで一致しました。武力による一方的な現状変更を図るロシアを念頭に、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守る決意も表明しました。ロシアのウクライナ侵略によってリセットされた世界で米欧とアジアを結ぶ日本の重要性(アジアで唯一のG7メンバーである日本の役割=成長拠点であるアジアの外交、軍事、経済の要衝に位置付けられる)はますます高まります。

インバウンド消費回復へ

インバウンド消費が回復しています。2023年3月のクレジットカード決済額を都道府県別に分析すると、全国の6割にあたる29府県で新型コロナウイルス禍前を上回り、山形(1位)や高知(2位)をはじめ(3位徳島、4位群馬、5位和歌山)など地方の回復が顕著でした。全国の合計額は8割超まで戻りました。ただ、中国人観光客の戻りは鈍く、訪日消費の本格的な回復は、受け入れる観光客の多様化がキーポイントです。

物価高がモノからサービスへ波及

物価高が食品などのモノからサービスに波及する兆候をみせています。4月の消費者物価指数は、生鮮食品とエネルギーを除く総合が前年同月から4.1%上昇し41年ぶりの水準でした。サービス消費の沈下を防止するためには物価と賃金を安定して伸ばすことが欠かせません。

VCに知財専門家を派遣

特許庁は弁理士や弁護士といった知的財産に強い専門家をベンチャーキャピタル(VC)に派遣する事業を開始します。人材が乏しいスタートアップでの特許申請などを支援するのに加え、知財の観点から見た案件発掘や投資判断を支援します。5月中にも公募を始め、10社前後のVCを採択する予定です。

日経平均3万円台回復

17日の東京株式市場では、日経平均株価が1年8ヶ月ぶりに3万円台を回復しました。2022年末比では15%高と米欧の主要指数の伸びを上回っています。銀行不安や信用収縮リスクがくすぶるなか、海外投資家は逃避先として日本の安定性を再評価しています。ただ、過去の歴史をみても、米国株が下落すると、日本株も連動して売られやすいことから、米国が景気後退を回避するシナリオが崩れた場合、日本株の下落リスクを懸念する声も挙がっています。

浜松市立城北図書館「創業講座」

2023年5月27日(土)13:00~浜松市立城北図書館2階講座室で、「起業・創業入門講座」が開催され、講師を務めることになりました。講義の主な内容は、①特に多い相談内容について実際にどのように回答を行ったか、②相談員としてアドバイスを行う際に意識していること、③これから創業しようという人たちへのメッセージなどです。定員は30名、申込先着順です。興味のある方は、ふるってのご応募をお待ちしております。お申し込みは、城北図書館カウンターまたは電話 ☎053-474-1725

4割が最終減益・赤字(上場地銀)

上場地銀75行・グループの2023年3月期決算が15日出揃いました。4割に当たる29行が最終減益・赤字となりました。中小企業向け貸出などは堅調でしたが、米国の金利上昇(債券価格の下落)で膨らんだ債券の含み損の処理を迫られたことが要因です。また、24年3月期は半数超が最終減益になる見通しです。含み損の処理は一巡するものの、実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の本格返済や原料高による企業業績の悪化で与信費用の増加を見込む地銀が多いためです。

「信用金庫」5月号特集

この度、月刊「信用金庫」5月号の特集「信用金庫における地域のホテル・旅館業を支える取り組み」について執筆いたしました。私のテーマは、❛ホテル・旅館業の経営改善にかかる実践的取り組み❜~ホテル・旅館業の現状、課題と信用金庫の今後の取組姿勢~です。機関誌や専門誌への寄稿は久しぶりでした。ホテル・旅館業を支援する信用金庫のお役に立てれば幸いです。

大相撲夏場所初日(5月14日)

大相撲夏場所は14日に東京・両国国技館で始まります。4場所連続休場明けの横綱照ノ富士、春場所を途中休場したかど番の大関貴景勝が復帰し、初日から横綱、大関がそろうのは昨年秋場所以来で4場所ぶりです。優勝争いは、先場所の覇者で大関昇進に挑戦する霧馬山ら4関脇を軸とした展開が予想されます。照ノ富士の初日の相手は、元大関の正代で、復活に向けて好スタートを切れるかどうか注目の一番です。

中古車価格に一服感

中古車価格の高騰に一服感が出てきました。新車の生産回復で納車遅れの状況が改善し、中古車需要の減少が見込まれるようになったためです。一時は新車価格を上回る逆転現象(トヨタ自動車の人気SUV「ランドクルーザー」など)が話題となった中古車市場ですが、正常化の兆候が見え始めています。

「ミートショック」

食肉市場で供給懸念材料が重なっています。家畜伝染病や牧草の生産減を招く干ばつ、エリアを拡大する鳥インフルエンザのなかで、畜産家の廃業が目立つようになり、欧州では食肉大手が処理工場の閉鎖を決めました。世界的な「ミートショック」に直面し、日本の輸入事業者らも調達方針を再考しています。輸入事業は、「過去にここまで供給不安材料が重なったことはない」としており、この事態を払拭される見通しは今のところ立っていません。我が家の食卓にも影響が出そうです⁉

続く菓子類の値上げ

カカオ豆の高騰(国際価格が約6年8ヶ月ぶりの高値圏で推移)は、日本国内のスーパーやコンビニに並ぶチョコレートをはじめとする菓子製品の価格に影響しています。砂糖の原材料である粗糖の国際価格も約11年半ぶりの高値圏で推移しているほか、牛乳の価格も上昇しており、菓子類は店頭価格の引き上げが続いています。3月に値上げした菓子類の品目数は593品目で、単月としては2022年9月の453品目を上回り最多を更新しました(帝国データバンク調査)一方で、原材料価格の高騰を製品価格にまだ転嫁しきれていないメーカーも少なくなく、今後も菓子類の値段は上がっていきそうです。

GWの人手遠方に

2023年のGWの国内旅行は新型コロナウイルス禍前年並みに回復しました。ANAは18年の9割の水準となり、JALは18年を上回りました。JR旅客6社の新幹線・在来線特急などの利用者数も18年の94%の水準まで戻っています。近場中心だった22年に対し、23年は遠方への旅行も活発だったようです。一方、人手不足対策も観光業界の課題となっています。旅館・ホテルの7割超が正社員が不足と回答しています(帝国データバンク4月調査)課題の解決には、賃上げや外国人従業員の確保に向けた労働環境の整備が必要不可欠です。

ブランド米が下落傾向に

家庭向けとして店頭に並ぶブランド米のコメ卸間取引が下落しています。代表品種の新潟産コシヒカリを中心に、3月下旬に比較して1~11%安くなっています。あらゆるモノやサービスの値上がりで消費者の節約意識は根強く、高価格帯のコメの売れ行きが鈍っています。一方で割安な業務用途に使う銘柄は外食需要の復調などで値上がりし、家庭用ブランド米との価格差が縮んでいます。この物価高でブランド戦略が通用しにくくなっています。コメの産地にとっては、高いブランド米を作る妙味は徐々に薄れつつあるように思います。

新型コロナ➡5類移行へ

新型コロナウイルスの分類が感染法上の5類に8日午前0時に移行しました。法律上、季節性インフルエンザと同等の扱いになりました。政府や自治体が法律に基づいて行動制限を要請することはなく、感染対策は自主判断となります。3年超に及んだ特別な政策対応は大きな区切りを迎えました。この3年余りの長患いから何を学習し、何を益とするのか、教訓は多いと思います。回復を素直に喜びつつも、もっと健康に関心を持ち、体力づくりに励みたいと思います。ところで、今日からマスクをどうしようか悩んでいる人も少なくないのではないでしょうか⁉

金の国際価格が高騰

金の国際価格が最高値に接近しています。金高騰の底流には、世界の中央銀行の米ドル離れがあります。ウクライナ侵攻後に世界の中銀は金保有を急速に積み上げたほか、人民元など他の通貨に移す動きも進んでいます。金の高値は世界の分団の深まりと、米ドル一強の通貨体制の揺らぎを映し出しています。(金は希少性の高さに加え、株式や社債、国債などと異なり特定の企業や国の信用リスクと結びつかない特徴から安全資産とされています。また、配当や利息を生まないため、好景気や金利上昇局面では投資対象として選ばれにくいものの、景気悪化や金利低下局面では妙味が増します)

緊急事態宣言終了(WHO)

世界保健機関(WHO)は5日、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言を終了すると発表しました。ワクチンの普及などで死者数が大幅に減少したためで、2020年1月末に始まった緊急事態は3年3ヶ月で終了を迎えました。今後もワクチン接種などの感染対策を通じた共存が課題となります。ただ、現実問題として感染者は日々発生しており油断は禁物です。

「車載決済」

自動車に決済機能を搭載する動きが広がってきました。住友商事は英ボーダフォンと組んで2023年中に欧州で「車載決済(スマートフォンなどと同様に自動車そのものを決済端末として活用する仕組み)」サービスを開始します。車載決済は自動運転が普及すれば、車内のあらゆるサービス課金に不可欠なインフラとなる見通しです。決済の承認には指紋や音声など様々な方法があり、規格標準を巡る競争にも拍車がかかりそうです。いやはや凄い時代になってきたものです。

「物価高倒産」が増加

物価高が中小企業の経営に影を落としています。原材料高に値上げが追いつかない「物価高倒産」は2022年度に463件と過去最多でした。新型コロナウイルス禍を受けた日本の価格転嫁の進捗は米欧の半分です。経営難の企業が増加すれば、高まる賃上げの機運も萎んでしまいます。持続的な賃上げを実現できるかは、中小企業が適正な値上げに踏み込める環境をつくれるかがキーポイントです。

ワーキングシニアの貯蓄増加

働く高齢者の賃金が貯蓄に回っています。総務省によりますと65歳以上の勤労世帯(2人以上)が2022年に貯蓄に回した額は月平均11万円と、10年前の3倍超になりました。金融資産は60歳以上が6割超を抱えています。高齢者に消費や世代間の移転を促す施策(生前贈与促進税制の見直し、負担できる能力が高い高齢者の資産を若年層に再配分するような税制や社会保障など)が欠かせません。生活レベルや程度問題はありますが、実際に老後資金はいくらあればいいのでしょうか⁉

出席者過半数で可能(マンション修繕決議)

政府は分譲マンションの修繕方針などを決める住人集会について出席者の過半数の賛成で決議できるよう法改正を検討します。現在は欠席を反対とみなすため賛成不足で決議できない場合があります。増加する老朽マンションの改修を促進するのが狙いです。