ブログ - 2018年8月


駅ナカ雑誌販売消滅の可能性

JR駅構内の店舗「キヨスク」などへの雑誌の卸売りについて、一手に担ってきた公益財団法人「鉄道弘済会」が10月にも撤退します。販売がピーク時の10分の1となり採算が悪化したことが要因です。出版取次大手のトーハンが引き継ぐことが決まり、東北から東海の約1000店からの雑誌が消える最悪の事態は回避されましたが、消費者との接点でもある駅ナカの売場を失えば若者を中心として活字離れが深刻なものになり出版業界へのさらなる打撃となりかねません。

小規模事業者へ事業承継支援

経営者の高齢化と後継者難で2025年までに大廃業時代を迎え、規模事業者向けの事業承継サービスが活発になっています。後継者のいない事業者が今後一気に増えると見込まれているためで、M&A情報サイト運営のスタートアップ企業などがM&A仲介会社を紹介しています。小規模事業者に特化したサービスとしては、介護事業者特化型や地方自治体と提携し、地域の特色に即したきめ細かいサービスを提供しています。

サイバー攻撃から中小企業を保護

経済産業省は、中小企業へのサイバー攻撃に対応する制度を創設する方針です。工場設備などの不具合が生じれば、IT(情報技術)に精通する人材を即座に派遣して対応できるようにします。対策が整っていない中小企業がサイバー攻撃を受けることで製造業の供給網に大きな影響が出るリスクを未然に防ぎます。調査によるところでは、情報処理推進機構の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」に準拠している中堅企業は4%にとどまっています。

吉野家・ガストが顧客をシェア

吉野家ホールディングスとすかいらーくホルディングスは、23日、「吉野家」や「ガスト」などで使える共通の割引券を発行すると発表しました。市場の飽和や人手不足で新規出店が難しくなるなか、既存店の集客力を高めようと外食大手同士が異例のタッグに乗り出します。外食を取り巻く環境は、中食市場が急速に伸びるなど年々厳しくなっており、外食各社はこれまで客や店舗の立地、アルバイトを奪い合ってきました。今後は臨機応変に協力体制を敷きながら、どうやって市場を生み出すかも重要な経営のテーマとなりそうです。

ネットで中小企業向け研修

経済産業省は中小企業を対象に専門知識を学べる人材育成サイトを設けました。従業員はカリキュラムに基づいてeラーニングで学べて、企業は受講履歴や評価を一元管理できます。時間やお金がかかるため研修を省いたり、研修後のデータ管理をしなかったりする企業を減らすのが狙いです。

電通や中小企業基盤整備機構など運営し、中小企業で働く従業員は無料で受講ができます。2019年2月末まで試験運用し1万人の利用を見込んでいます。社会人の学び直しの仕組みづくりにつながりそうです。

介護事業所に認定制度

厚生労働省は2019年度から、人材育成や職場環境の改善に取組む介護事業所の認定制度を始めます。キャリアアップの仕組みや休暇取得、労働時間削減の仕組み、資格取得など17項目を評価します。働きやすい事業所の「見える化」を促進し、介護職員の離職を防止します。HPで認証を取得した事業所を公表し、学生が就職を考える際の参考にするよう促すということです。

ネット銀行が住宅ローン参入

インターネット専業のジャパンネット銀行は2019年夏にも住宅ローン事業に参入します。住宅ローンの提供で貸出金を伸ばすほか、顧客のメインバンクにしてもらうことを目指します。ネット銀行は、店舗がなく、経費率は一般的な銀行に比べて低く、住宅ローンの最低金利も低く抑えやすく、地方銀行やメガバンクから借り換える顧客が多いなか、住宅ローンを借りている顧客は信用力の高い人に偏っており、顧客の裾野を広げることが課題にありました。将来的には融資の審査にAIを導入し、給料や勤続年数などによる画一的な審査ではなく、幅広いデータから返済能力などを見極めて融資を判断するとしています。

段ボール箱で販促

小売店の現場では猛暑の影響により商品棚への補充回数が増え、従業員の負荷が高まっています。そこで注目されているのが、作業効率の改善に寄与する段ボール箱です。見栄えのするデザインが印刷されており、箱そのものが店頭販促(POP)で、箱のまま商品棚に陳列しても違和感がありません。箱にはミシン目が入っており、手で簡単に開けられる特長があります。人手不足が深刻化するなかで、ますます導入が増えると予測されています。

中小企業への消費税転嫁支援

政府は2019年10月の10%への消費税率引き上げによる中小企業への影響を防ぐため、企業間の取引で増税分を価格に上乗せする転嫁が円滑に進むよう支援します。交渉力の弱い中小企業が、業界ごとに横並びで価格に転嫁するカルテルを認めることになります。企業同士で価格や数量を示し合わせるカルテルは本来、市場の競争をゆがめる行為として独占禁止法で禁じられています。「転嫁カルテル」はその例外で、中小企業が足並みをそろえ、増税分の負担を求める大企業からの圧力を防ぐ狙いがあります。

医薬営業のリストラ

製薬各社が営業職に当る医薬情報担当者(MR)を大幅(3000人を上回る)に減少させています。4月の薬価改定は約10兆円とされる国内医薬品市場に約7200億円のマイナス影響があるとみられ、収益環境は厳しさを増しています。医師がインターネットで自ら情報を集めやすくなったことなので、かつて花形だったMRはコスト削減のターゲットになっています。一方、この大量リストラは成熟企業から成長企業に人材の流出を促し、産業の新陳代謝を促進する面もあります。例えば、医療分野はITとの融合など革新の余地が大きいですし、MR出身者が成長企業に転じ、新たな産業の芽を生む可能性もあります。

出産退職による経済損失

第一生命経済研究所は2017年に出産を機に女性20万人が退職し、2017年は1.2兆円の経済損失が生じたとの試算を発表しました。女性が稼ぐはずだった企業収益などの減少分を合わせると、損失額は合計で1兆1741億円になるといいます。総務省の就業構造基本調査では、育児中で働いていない女性の6割が就業を希望しています。保育所が整備され、子どもを預けやすくなれば、こうした女性も働きやすくなります。出産退職を防止するためには、出産後も仕事と両立できる見通しを持てるようにすることが不可欠です。

AIで休職リスクを予測

東海海上ホールディングスとNTTデータは人工知能(AI)を使って従業員が体調不良で休職するリスクを予測するシステムを開発しました。従業員の健康診断や勤務表を分析し、1年以内に休職する可能性の高い人を見つけて改善を促します。東京海上はこのサービスを導入した企業を対象に傷害保険の割引も検討するとしています。因みに、対象企業のデータを分析すれば、病気などで3日以上休む可能性のある従業員を75%の精度で抽出できるとしています。

 

猛暑で蚊も夏バテ

殺虫剤大手メーカーが異例の暑さによる需要低迷に苦しんでいます。フマキラー社が8日発表した2018年4~6月期の連結決算は、純利益が3億1400万円と前年同期比73%減でした。6月は例年より気温が高く、蚊の活動量が低下し、主力の殺虫剤の販売が苦戦していることが主因です。株価にも影響を及ぼしています。各メーカーは夏バテ気味の蚊が復活することで残暑の需要拡大を期待しているようです。

マーケティング講座(全国信用金庫協会)

一般社団法人「全国信用金庫協会」マーケティング講座が全面改訂されました。従来のマーケティング講座と比較し、図表や信用金庫の事例を多く取り入れることで、より身近で実践的な内容として理解しやすい内容になっています。私も第3分冊「信用金庫のマーケティング」の一部を執筆させていただきました。

本講座が信用金庫職員の方々の日々の業務に活かせるマーケティングの知識とスキルの習得に役立つことを心から願っています。

居酒屋が訪日ツアーをターゲット

居酒屋大手チェーン各社が訪日外国人の食事ツアーの受入れに注力しています。若者の酒離れや宴会の減少で苦戦が続くなか、広い客席を生かして訪日客の団体客に昼食メニューを用意します。日本政府観光局によると、2018年1~6月の訪日外国人客は1585万人と前年同期から15.6%増となりました。2020年の東京五輪に向け、訪日客向けの飲食需要はさらなる伸びが見込めます。一方、海外客向けのメニューや表示方法、旅行会社以外に近場のホテルとの協力など新たな集客策も必要となります。

女性社長比率ワースト5位

帝国データバンク静岡支店は静岡県内の企業の社長で女性が占める比率が、2018年は前年より0.11ポイント高い6.18%(全国の女性社長比率は7.78%)だったとの調査結果をまとめました。30年前に比べると2倍に近い水準ですが、全国ではワースト5位でした。事業承継の進展に伴い、親や配偶者から経営を引き継いだ女性が多いことが増加の背景にあるようです。

スーパーバイザー事業(静岡県商工会連合会)

静岡県商工会連合会が主催する「平成30年度スーパーバイザー事業」のスーパーバイザーに選任されました。この事業の目的は、小規模企業の持続的発展を目指し、伴走型支援の体制を強化するため、基礎的経営改善普及事業が確実に実行できる職員の育成を行うことです。今年度は、経験年数の少ない経営指導員や、今後経営指導員となる得る経営支援員および情報経理相談員などを対象に支援スキルの習得を目的に事業を実施します。スーパーバイザーに選任されたことを誇りに思うとともに、精一杯職務に努めたいと思います。

セルフ式スタンド増加の一途

ドライバーが自分で給油するセルフ式のガソリンスタンドの増加が続いています。従業員が給油する従来型のフルサービス給油所に比べ価格が安く、販売量も増えています。セルフ式給油所数は、前年度末に比べ72ヵ所(0.7%)多い9928ヵ所でした。給油所全体に占める比率も32%と1ポイント上がりました。全給油所数(17年度末)は、3万747ヵ所と、前年同期から2%減少しています。ピーク時の94年度から半減しています。セルフスタンドの増加が従来型の給油所を廃業に追い込んでいることがデータからうかがえます。

「介護職員初任者研修」資格取得をサポート

人材サービス各社が介護職として働きたい人に対し、「介護職員初任者研修」など資格取得の支援に動き始めています。介護業界は人手不足が深刻になっており、人材各社は介護職の希望者を「特待生」として迎え、人手の確保に乗り出す構えです。資格を取得し「身体介護」ができるようになれば、月給で1~2万円の収入増が期待できます。人材各社は無料で資格を取得できれば、定年後のシニア層の働き先や異業種で働く人々の転職先として介護職が選ばれやすくなるとみています。