日本の賃金低迷

失われた30年のデフレ時代には原材料価格が上がっても人件費を抑制して、販売価格を据え置くのが普通でした。値上げをタブー視する『我慢の戦略』を続けた結果、1990年代から賃金が上がっていないのは主要7カ国(G7)で日本とイタリアだけです。この貧しい国になり下がった日本の生産性を高めるためには、賃上げと人材への教育投資が欠かせない。デジタル技術を導入し、人手に頼らない業務を広げることも喫緊の課題です。人件費などの増加は各社にとって構造改革を迫るのと同時に、成長への道筋を描く機会となります。