東京海上日動火災保険は築年数が古い住宅を対象に、個人向け火災保険の引き受けを厳しくします。築50年超の一戸建ての審査を代理店に任せず、自社で契約条件を決める運用に、22日までに切り替えました。災害の多発で損保大手の火災保険は2023年3月期決算で13年連続の赤字でした。大手各社は収支改善のために、24年度に火災保険料を1割超引き上げる見通しで、古い住宅に住む消費者の契約条件は一段と厳しくなります。ただ、契約者の負担に直結する保険料の引き上げだけでなく、損保会社はデジタル技術の活用によって業務を効率化し、損益分岐点を引き下げることが必要です。さらに、保険引き受けの適正化に加え、防災や減災の取り組みにも経営資源を投入し、予測困難な災害に対しても極力被害を軽減し、結果的に保険金支払いを抑制する企業努力も不可欠です。