物価高に対応しようと基本給を大幅に引き上げるベースアップ(ベア)を今夏に実施する企業が相次いでいます。AGCは14年ぶり(6307円)、住友化学も4年ぶり(3000円)に実施しました。優秀な人材のつなぎとめに賃金増が必要と判断しています。家計が支出を増やして企業の収益を押し上げ、その成長の果実を企業と家計で分け合う好循環を生むためにも賃上げは必要不可欠です。ただ、賃上げは継続性や安定性も問われます。今秋以降に本格化する23年春季労使交渉で賃上げが物価上昇に追いつかないようだと、消費がしぼみ企業収益が落ち込む負のスパイラルに陥るリスクもあります。