物価の二極化が進んでいます。6月は消費者物価のうち食品などのモノが前年同月比4.9%上がり、運輸や娯楽などのサービスは0.3%下がりました。モノのインフレは資源高による輸入価格の上昇が直接響いています。サービス価格の低迷は国内の需要の鈍さや賃金の伸び悩みなど、根強いデフレ圧力を鮮明に映し出しています。コスト高の環境でも企業が安定して成長し、賃上げを続けられるようにならなければ日本経済の地盤沈下に歯止めがかかりません。この状況から脱出するためには、競争力のある付加価値の高いサービスを生む働き手の質を高めて生産性を底上げすることや、リスキリング(学び直し)の支援など人材への投資が不可欠です。