金融庁は銀行に対し、融資先の将来の経営リスクに応じた引当金の計上を認める方針です。これまでは損益など過去の実績に基づいて判断するしかありませんでした。今は正常な融資先でも人口減などで経営が悪化する恐れがあります。地方銀行などが余裕のあるうちに備えつつ、成長に向けた資金供給を両立できるようにするのが狙いです。ただ、銀行に裁量を認めるのは、融資先の実績を深く把握し、どう向き合うのか明確な戦略を持っていることが大前提です。銀行が引き当ての根拠を合理的に説明するのと同時に、金融庁も戦略の妥当性を検証する能力が求められます。